歌舞伎の中村富十郎74歳、俳優の上原謙71歳、三船敏郎62歳......。何の数字かお分かりだろうか?はるか年下の女性を相手に子供を授かった年齢だ。しかも全員女の子。
身の周りを見ても、夫が高齢で作った子供に女の子が多いが、「ウワサ」はホントだろうか?
55歳からがっくり減っていく「男の子」精子
説明に入る前に、もう一度周りを見ていただきたい。男の子と女の子、単純に計算すると生まれてくる確率は2分の1なのに、男の子ばかり3兄弟、女の子ばかり3姉妹が目につかないだろうか。9分の1という非常に低い確率だ。しかも、その父親を見ると、3兄弟の方はゴツく、3姉妹の方は優しげ......。いかにも精力の弱そうな男性に女の子が生まれる気がするが、本当のところはどうだろうか。
その漠然とした通念を科学的に証明したのが、2013年に米国生殖医学会の雑誌に発表された研究だ。5000人以上の男性の精液の中にある精子と年齢の関係を調べた。精子にはすでに性別があり、Y精子(男)とX精子(女)があり、X精子が受精した場合に女の子が産まれる。調査の結果では、46歳未満の若い男性の場合では、Y精子(男)とX精子(女)の比率は1.06だった。つまり生まれる子供は、男の子が女の子の1.06倍多いというわけだ。ところが、46歳を超えると徐々にX精子(女)が増えてきて、55歳を過ぎると逆転し、Y精子(男)が毎年約5%の割合で減っていく。女の子の方がどんどん多くなるのだ。
何としても女の子のママになろうと奮闘中の女性も
「男女生み分け」の専門医のサイトを見ると、精液が豊富で活力のある男性ほどY精子(男)の割合が高く、逆に弱い人ほどX精子(女)が多い。女性の膣内は普段は酸性だが、妊娠する排卵日前後に酸性度が薄まる。そして、セックスの快感が高まってオルガスムスに達すると、分泌液の影響でアルカリ性に変わる。Y精子(男)は酸性に弱く、アルカリ性になると活発に動く。逆に、X精子(女)はアルカリ性に弱く、酸性に強い。
そこで、専門医はこう指導する。男の子を生みたければ、(1)最低5日間禁欲して精液をしっかりためておく、(2)女性が気持ちのいい濃厚なセックスをする......のがよい。一方、女の子がほしければ、(1)3日に一度オナニーなどをして、精液を薄めておく、(2)セックスはあっさりと、感じさせないように......ということになる。つまり、トシをとってから女の子ができたケースと同じ、「弱いオトコ」の営みが重要なのだ。
何としても女の子のママになるべく、奮闘中の女性のブログをのぞいてみた――。「コウノトリキティちゃんを購入。女の子のカレンダーを寝室に飾って、排卵2日前をチェック! 色々しましたが、あとは、手前あっさりですね......」「○○ちゃん(夫)が、『オレ、こんなつまんないセックスしてまで女の子ほしくない。男の子かもしれないし』......」。
ごもっとも。いっそ、トシをとってから子作りに励むのもアリかも。