出火原因のトップは排気管、ペットボトルが凸レンズ効果も
年末年始にかけて発生した車両火災は、大型バスだけではない。2015年12月29日午後、東京・中央区の勝鬨橋の上で、60代の男性が運転していたイタリアの高級車、フェラーリが出火。走行中に「ボン」と音がして、クルマの後ろから煙が出ていたという。乗っていた男性2人にケガはなく、火は約50分後に消し止められた。
また、翌30日午後には神奈川県小田原市蓮正寺の小田原厚木道路下り線で、医師の男性が運転するイギリスの高級車、ジャガーから火が出て全焼した。その男性は「走行中に左の後輪から煙が出ているのを見た」と話しているという。路面の一部はアスファルトが溶けるほど激しく燃えたようだ。
いずれも、警察が原因を調べている。
日本自動車連盟(JAF)によると、「車両火災が発生するケースはさまざま」という。たとえば、ガソリンやオイル漏れに起因するものやエンジンルーム内へのウエス(手入れ用の雑巾)の置き忘れ、ブレーキなどの制動装置に起因するもの、さらにバッテリーのターミナルが緩むことで発生するショートによっても発火の危険性は高まる。
2014年の車両火災(乗用車、1445件)の出火原因のトップは、排気管(634件)だった(消防庁調べ)。
ただ、走行中などとなると、たとえば落下物などが車輪に巻き付いたり引きずったり、タイヤがバーストしたりするケースが想定できる。「そのことだけでは火災に結びつかないのですが、こうした条件が重なり合って発火することはあろうかと思います」とみている。
また、JAFはフロントウインドウにアクセサリーなどをつるす透明の吸盤やペットボトルなどの凸レンズ効果で太陽光が集光され、高温の個所をつくり出して出火することもあると指摘する。
いずれも、年末年始に久々にクルマを運転する際に、こうしたことが起きる可能性がある。