銚子電鉄に「髪毛黒生」駅誕生 「鉄道収入だけで食えない」苦肉の策に賛否湧く

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「ぬれ煎餅」に加え、駅名売り出しが経営の「救世主」に

   当の銚子電鉄の担当者は「利用客の反応はおおむね好評だと思います。とくに髪毛黒生駅の車内アナウンスが流れると、乗客の笑いが起きています」と明かす。

   ツイッターでも、以前ある飲食店が導入して話題となった薄毛の客への割引サービス「ハゲ割り」を運賃で実施するべき、響きやネーミングから毛髪と結びつけられがちなJR半家(はげ)駅(高知県四万十市)、JR増毛(ましけ)駅(北海道増毛郡)、JR福生(ふっさ)駅(東京都福生市)と「髪毛黒生」駅を結ぶ鉄道ツアーを企画するべき、といった斬新な「追加アイデア」が飛び出した。

   今企画の背景にあるのは、ほかでもなく財政難だ。沿線地域の人口減だけでなく、06年、内山健冶郎前社長による横領事件が発覚。運転資金の不足が深刻化し、運行を中止する瀬戸際に立たされた。当時は銚子名産の醤油を使った「ぬれ煎餅」の製造・販売で難をしのいだが、今も予断を許さない状況が続く。

   同社担当者は「もう鉄道収入だけでは(経営が)回らないんです。生き残るためには、稼ぐためには何でもしないと」と語る。

   やや古い資料となるが13年12月、同社が銚子市に提出した経営改善計画によると、13年3月期は売上の約8割をぬれ煎餅中心の食品事業でまかなっている。「本業(鉄道事業)を副業(ぬれ煎餅)が支える」事業構造と言える。一駅につき年間80万~200万円の権利料、現時点で830万円の増収を見込めるネーミングライツは、まさに「救世主」というわけだ。

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