実家に帰った時、口に遠慮のない母からドキリとすることを言われた。「あなた、最近、忙しいんじゃない? 中年の男の人と同じ臭いがするわよ」。ええッ、やだあ~、まだアラフォーなのに加齢臭ゥ~!と思わず服をつまんで嗅いでしまった私だが......。
実はソレ、女性が男性と同等に忙しく働くようになってから増えている「疲労臭」なのだ。文字どおり疲れからくる体臭で、女性の社会進出により体臭まで男性平等になった形だ。
加齢臭よりキツいツンとくる臭い
加齢臭は、老化によって皮膚の表面にある皮脂腺の中の脂肪酸が酸化してできる「ノネナール」という臭い成分が元だ。必ずしも男性特有ではなく、強弱に差はあるが、女性にも表れる。「枯れ木や古本の臭い」と表現され、どこか懐かしい趣さえある。ところが、疲労臭の成分はアンモニアだ。ズバリ、「ツンとくるオシッコの臭い」で、加齢臭より臭いはキツイ。
なぜ、そんな嫌な臭いが漂うようになるのか。専門医のサイトをみると、メカニズムはこうだ。アンモニアは、体の中でタンパク質が分解してできる。筋肉が使われたり、腸内細菌が働いたり、と体内の様々な代謝作用の結果として日常的に作られる。ただし、毒素が強いので、肝臓で無毒な尿素に作り替えられた後、尿として排泄される。
しかし、残業などで疲労がたまり、飲む機会が増えて、肝臓の解毒機能が弱まると、処理し切れなくなったアンモニアが汗の中に出て、臭いの元になる。肉などのタンパク質の摂りすぎや、便秘による腸内細菌のバランスの乱れ、さらにストレスによる免疫力の低下なども肝臓や腎臓の働きを低下させて、アンモニア臭を生む原因となる。