いつ吹き出すかわからない地下水脈... リニア新幹線工事で最難関は南アルプストンネル

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16年3月、避難路となる坑道の掘削を始める

   一方でもちろん、工事自体の難しさによって工期が延びることもありうる。

   南アルプストンネルは総延長約25キロを山梨、静岡、長野の各県ごとの3工区に分けており、今回着工したのは山梨(7.7キロ)だ。大成建設、佐藤工業、銭高組の共同企業体(JV)が受注した。工費は非公表。大成建設はトルコのボスポラス海峡の海底トンネルなど世界的な実績を持つ。JVは2016年3月、避難路となる「斜坑」と呼ばれる坑道の掘削を始め、同年秋をめどにトンネル本体の掘削に臨む。

   掘削は崩壊を防ぐため、土砂を搬出しながら表面をコンクリートで固める「NATM(ナトム)」と呼ばれる工法で行う。山岳トンネルでは一般的な工法という。起工式後に柘植社長は記者団に「難しい工事だが、安全、環境に配慮する」と述べた。

   南アルプストンネルの特徴は、地表からトンネルまでの距離を示す「土(ど)かぶり」が深いのが特徴だ。今回着工した山梨工区ではないが、静岡、長野県境では上越新幹線の大清水トンネル(約1300メートル)を超えて日本最深となる約1400メートルに達する。土かぶりが深ければ、当然ながらトンネルに対する土の圧力は増すだけに強度が問われることになる。

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