AOKIは売り上げの4割が「非スーツ」
非スーツ部門の展開で青山商事の上を行くのが、AOKIホールディングスだ。何しろ、青山商事の非スーツの売上高が全体の2割程度なのに対し、AOKIは約4割に達する。AOKIは漫画喫茶「快活CLUB」や、カラオケボックス「コート・ダジュール」を全国展開するほか、「アニヴェルセル」ブランドの結婚式場を運営。それぞれしっかりとした収益をあげている。「快活CLUB」は女性専用店の展開などにより、さらなる成長を目指す。
「紳士服のコナカ」を展開するコナカは飲食店などの子会社「コナカエンタープライズ」(横浜市)を通じて学童保育サービスの「拓人こども未来」(東京・中央区)と10月にフランチャイズ契約を結び、英語教育を売り物にする学童保育事業に参入した。女性の社会進出を背景に小学生を放課後に一定時間預かる学童保育のニーズは高まっていると判断した。将来的には不採算の「紳士服のコナカ」店舗を学童保育の拠点とする方針だ。
このように、紳士服以外の事業に注力する大手各社だが、あくまでも主力は衣料品販売に置いている。今業界で注目されているのが、AOKIの「オリヒカ」ブランドだ。クールビズの浸透でネクタイをつけないいでたちが定着するなか、「崩しすぎない仕事着」を提案し、一定の支持を得ている。「爆買い」の中国人も日本製スーツに熱い視線を送る。多角化と本業のスーツを両立させようと動く紳士服チェーンの挑戦は続く。