大手ゼネコン「バブル」再来?軒並みの絶好調決算 再開発と五輪でいち早く「デフレ脱却」か

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   ゼネコン大手各社が、「バブル期以来」となる最高益更新に沸いている。いまだ収益の大半を国内で稼ぐ大手ゼネコンだが、過去数年、人手不足が深刻化して人件費が高騰していた。

   ここへきて、その人件費を受注額に転嫁できるようになり、資材価格の低下もあって採算が改善した。トップ企業に限れば建設業界は「デフレ脱却」に成功しつつあるようだ。

  • 人件費高騰も工費に転嫁できるようなになり、ゼネコンはデフレにさよなら?
    人件費高騰も工費に転嫁できるようなになり、ゼネコンはデフレにさよなら?
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軒並み最高益を更新する大手

   通常、「ゼネコン大手」と呼ばれるのは年間売上高の多い順に大林組、鹿島、清水建設、大成建設の4社だ。ちなみに年間売上高は1兆5000億~1兆8000億円程度。

   この4社の業績改善ぶりは目覚ましい。2015年9月中間連結決算をみると、純利益は4社とも増益で、鹿島を除く3社が中間決算として過去最高を更新した。具体的には、大林組が前年同期比96.7%増(約2倍)の278億円。清水建設が105.4%増(約2倍)の240億円、大成建設が155.3%増(約2.5倍)の315億円だった。過去最高益ではなかった鹿島も前年同期比で約3倍となる229億円を記録した。つまり、大手4社の中間決算の純利益が前年同期比で2~3倍になり、3社が過去最高だったということだ。

   足元の業績改善は2016年3月期通期決算にも反映される見込みで、業績予想の上方修正が相次いでいる。東京など国内主要都市の再開発や、2020年の東京五輪に向けた建設工事の増加も後押ししている。大林組と清水建設、大成建設の3社の2016年3月期の純利益が過去最高を更新する見通しだ。4社中最高の純利益570億円を見込む大成建設は24年ぶり、2番目の540億円を見込む清水建設は25年ぶりの記録更新。3番目の500億円を見込む大林組は9年ぶりの最高益更新で、400億円と予想する鹿島にしても8年ぶりの高さとなる水準だ。

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