セット販売にポイント制で「携帯料金」並みの複雑さも
日本でも、各社の料金メニュー作りが始まり、16年1月から電気購入を受け付けるようになるが、どのようなサービス内容になるのか。
東京ガスは、電気小売りを始めるに当たって、ガスとのセット販売を行う。セット料金にすると、電気代は東京電力と比べて、年間で4000~5000円ほど安くなる。このほか、ネット光回線とのセット「東京ガストリプル割」も導入する。12月24日にメニューを発表した。
ただ、電力の調達先については、「事業戦略に関わりますので、今後ともお答えできせん」という。ガスの火力発電所を自前で持っているが、これを含めてどんな発電所を使うのかも同様だとした。
一方、ガソリンスタンド「ENEOS」を展開するJX日鉱日石エネルギーでは、ガソリンなどを購入すれば電気料金を割り引くセット割を検討していると答えた。電気購入は、家電量販店「ノジマ」でも受け付ける。また、提携しているTポイントをためることができるようにする。
電力の調達先については、自前で持っている石油やガスの火力発電所が大部分を占めるとし、一部でソーラーパネルなどの再生可能エネルギーを使うことを明らかにした。
セット割などは、確かに、料金を安くすることにつながるメリットはある。しかし、契約期間やキャンセル料などの設定によって、携帯電話料金のように複雑化して分かりにくくなる恐れはあるようだ。
また、経産省が12月4日にまとめたガイドライン案では、電力調達先について、原子力や再生可能エネルギーなどの構成比率開示は努力義務とされるに留まっている。調達先についても関心が高い以上、今後各社には開示が求められそうだ。