「1冊も本を読まない」47.5%
書籍や雑誌の売り上げの減少は、日本人の読書離れと無関係ではないようだ。最近の日本人の読書量は確実に減少している。
文化庁の「国語に関する世論調査」(2014年3月実施)によると、マンガや雑誌を除く1か月の読書量は、「1、2冊」と回答した人は34.5%。「3、4冊」は10.9%、「5、6冊」は3.4%だった。「7冊以上」の人は3.6%にすぎない。その半面、「読まない」との回答は47.5%にのぼり、最も多かった。全国の16歳以上の男女3000人を対象に聞いた(回答率58.4%)。
前回調査(2009年)に比べて、1冊も読まない人の割合は1.4ポイント増加。前々回の2002年の調査からは10ポイント近く増えており、日本人の読書離れもまた止まらない。
なかでも、「読書」に親しんでいると思われていた高齢者に「読まない」割合が高く、70歳代以上で59.6%、60歳代で47.8%にのぼった。一方、20歳代は40.5%、10歳代(16~19歳)は42.7%だった。
文化庁は、高齢者の場合は視力の悪化など健康上の理由が大きいとみているが、高齢者でもインターネットに移っている人が少なくないとみられる。
また、出版科学研究所の出版統計は、国内を流通するすべての出版物の売り上げを集計しているわけではない。たとえば、出版社による直接販売やアマゾンなどを経由した売り上げは取次業者を通らないため、出版統計には反映されていない。最近はこうしたインターネットを通じた書籍の購入が増えているとされる。