五輪エンブレムを白紙撤回後に公の場に出ていないデザイナーの佐野研二郎氏(43)は、教授をしている多摩美大で2016年4月から再び授業を持つと一部で報じられている。しかし、ネット上で書き込まれているのは、批判や疑問ばかりだ。
「新しいエンブレムの選考が始まっておりますので、静かに見守りたいと考えております」。スポーツ報知の2015年12月28日付記事によると、佐野研二郎氏にメールで取材を申し込んだところ、広報担当の妻を通じて、最近こんな返信が来た。
2016年4月から講義の予定と報じられる
佐野氏は、9月の白紙撤回後、沈黙を続けており、マスコミ取材に「反応」したのは初めてだという。ただ、「現在は取材をお受けしておりません」との回答だったとした。
佐野氏が現在デザイナーとして仕事をしているかは、よく分かっていない。代表をしている「MR_DESIGN」のホームページは、住所と電話番号が載っているだけだ。母校の多摩美大では、佐野氏は14年4月に教授に就任して特別講義をしてきたが、報知の記事によると、美大は、エンブレム騒動から佐野氏は講義をしておらず、15年度中は予定もないと取材に答えた。
しかし、美大のホームページでは、佐野氏の名前がまだ載っており、「佐野プロジェクト」という選択必修科目もあった。記事によると、美大は、騒動による佐野氏の処分はないとして、「現在のところは、来年の春から講義をしていただく予定です」と明言したというのだ。記事では、佐野氏は、大学教授として公の場に姿を見せることでデザイン界に復帰する可能性が高いとしている。
ただ、エンブレム白紙撤回後も、多摩美大の雑誌広告「MADE BY HANDS.」について佐野氏の画像盗用疑惑が指摘されたが、美大側は、まだ何らかの判断を示していない模様だ。