高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
底の浅さがバレた新聞業界 「軽減税率」適用のご都合主義

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新聞を見る目は、かつてないほど厳しくなるだろう

   また、新聞は消費再増税は財政再建のために必要といっているが、自らの軽減税率が財政再建に反する行為であって、その主張がご都合主義とみられることを、どう思っているのだろうか。

   少なくとも、現場の記者は、軽減税率に関する記事をまともに書こうとは思えないだろう。

   報道・言論には、潔さが必要であり、そのためにはやせ我慢も必要である。今回の軽減税率騒動で、新聞の底の浅さがバレて、一層の新聞離れが起きるだろう。

   かつて本コラムで新聞業界には、新聞社株式を譲渡制限する日刊新聞紙法と再販価格カルテルがあると書いた(2013年8月22日配信)。それらがあるために、新聞が 企業のガバナンスが問題と言っても、企業がカルテルを結んでケシカランと言っても、あまり迫力がなかった。

   ただし、それらはあまり国民に知られていなかったので問題は軽微だった。しかし、今回、新聞が軽減税率対象になるということは、新聞ではあまり目立つ報道はされていないが、かなりの国民が知っている。新聞を見る目は、かつてないほど厳しくなるだろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)、「世界のニュースがわかる!図解 地政学入門」(あさ出版)など。


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