魚油を多くとると太りにくくなるメカニズムを京都大の河田照雄教授らのグループが解明して、2015年12月17日付の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」(電子版)に発表した。
魚油にはDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペタエン)が含まれており、体内に入ると体脂肪を燃焼することは知られていたが、詳しい仕組みはわかっていなかった。研究チームは、DHAとEPAを加えた高脂肪のエサをマウスに10週間与え、高脂肪のエサだけを10週間与えたマウスと比較した。
すると、DHAとEPAを食べたマウスは、内臓脂肪が15~25%減る一方、「褐色脂肪細胞」という体脂肪を分解して熱に変える細胞が増えていた。DHAとEPAが交感神経の活動を活発化させ、神経伝達物質のノルアドレナリンを放出させる。そして、ノルアドレナリンが脂肪をため込む悪玉の白色脂肪細胞を善玉の褐色脂肪細胞に変えてしまうという。