1年前にも高級ウイスキーを先行値上げ
じつは、サントリーHDはちょうど1年前にも、ウイスキーの値上げを発表していた(実施は15年4月)。対象は6ブランドの39品目。国産ブランドの高級ウイスキー「山崎」や「白州」「響」を20~25%値上げ。また、輸入ブランドの「ザ・マッカラン」「ラフロイグ」などの一部を約17~25%値上げした。
「山崎 12年」は7000円から8500円に、「響 17年」は1万円から1万2000円になった(いずれも、税別)。
ただ、このとき「角瓶」や「オールド」などの普及品や、エコノミークラス(低価格帯)の「トリス」の価格は据え置いた。それを今回、「トリス」を除いて、1年遅れで値上げに踏み切ったというわけだ。
また、輸入ブランドは2014年に一部値上げしたが、仕入れコストがさらに上昇したという。
アルコール飲料の中にでは、ビールや発泡酒などの需要減が止まらない一方で、ウイスキーだけは伸びが顕著だ。サントリーHDによると、2015年1~12月の出荷量は、ウイスキー事業全体で前年比13%増。736万ケース(1ケース、角瓶700ミリリットル×12本)を見込んでいる。
とはいえ、今度ばかりは売れ筋の「角瓶」や「オールド」といった、消費者が手に取りやすいブランドの値上げだけに、その影響も小さくないことが予想される。ようやく上向いてきた市場に、水を差す可能性もあるかもしれない。