「政権交代」のためなら「かわりばんこ」「くじ引き」もOK? 茂木健一郎氏の主張は「民主主義の否定」なのか

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くじ引きで政治家が決まることもある

   実際にくじ引きで政治家が選ばれたことはある。2015年4月の熊本市議選では2人の候補者の得票が同数で、最終的にくじ引きで当選者が決まった。ほかの自治体でも、最後はくじ引きで決めた例はある。

   また、50年以上も無投票で村長が選ばれ続けている島もある。

   大分県の姫島は、1955年を最後に村長選が行われていない。この選挙で小さな村内にしこりが残ったから、が定説だ。現村長の藤本昭夫氏とその父親で前村長の熊雄氏の2人が16期連続で村長を務めてきた。

   藤本村長はメディアにこう話している。

「それなりの対立候補が出れば私に対する不信任であり、争わずに身を引くつもりだ」(西日本新聞、2008年10月29日付)
「民主主義に選挙は必要だけれど、現実には選挙のための政治になっていないでしょうか」(朝日新聞、12年1月1日付)

   民意はすべて選挙で示す。実際にはそうなっていないこともあるのだ。

   茂木さんの論考が批判にさらされてしまったのは、安全保障関連法に反対する学生団体「SEALDs(シールズ)」のデモに参加するなど、自民党に批判的な立場を鮮明にしていることが原因のようだ。ツイッター上には

「国民の選択が気に入らないから選挙を否定してるアホ」
「自分が望まぬ勢力が政権に就いてるからといって、民主主義のシステムを安易に崩そうという考えに走るのは愚かである」

と厳しい指摘が大半だ。しかし、中には

「これは正論だろ。お前らは人が言ってる内容じゃなくてその人のヘアスタイルだけ見て決めつけてるだろ」

という声もごく少数ながらある。

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