姿勢が崩れるたび背もたれに「ドン」 イラっとくるけど背筋は伸びた

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   運動不足解消の「切り札」に、ダイエット中の木村清志さん(仮名、以下キヨシさん)が取り入れたのは、仕事中に背筋を伸ばし続けるというシンプルな方法だ。

   ところが、やってみると結構ハード。すぐに姿勢が崩れてしまう。すぐに諦めてしまっては、また「企画倒れ」になってしまうのだが。

背もたれにぶつかるとイラッ「だが、それがいい」

   「背筋を伸ばして座る」というミッションを始めて数日間、なかなか継続できなかった。仕事に集中するあまり、正しい姿勢への意識が薄れていつの間にか背が曲がったままパソコンに向かっている時間が長く続いていた。

   解決法の第一歩として、キヨシさんは椅子の背もたれをロックした。これで、体重をかけても背もたれは固定され、動かない。同時に編集部から、「まずは1日、努力してみてください」と強く動機づけをした。

   実践した当日の夜、キヨシさんは開口一番こうぼやいた。

キヨシさん「いやーホント、疲れましたよ」

   心の底から絞り出すような声で、ぐったりモードだ。その日の様子を再現してくれた。

   朝、出社して席に着くと、早速椅子の座面の前方に腰かけて背筋を伸ばした。既に背もたれはロック済みで、この状態で業務開始する。

   数分もすると、やはり姿勢が悪くなってしまった。ところが、背中が曲がって背もたれに当たった時、「ドン」となかなか強めの衝撃が体に伝わった。おかげで「あっ、背筋が伸びてなかったんだ」と気づいたのだという。姿勢を直し、時間がたつと無意識のうちに椅子にもたれかかろうとして、また「ドン」。

キヨシさん「背もたれにぶつかると『痛っ』となって、毎回イラっとするんですよ。でも、おかげで『また姿勢が悪かったのか』気づかされました」
「背筋を伸ばす」という動作ひとつで、筋肉の衰えを感じたか
「背筋を伸ばす」という動作ひとつで、筋肉の衰えを感じたか

「筋肉を使っていると実感します」

   背筋を伸ばして仕事をしていると、普段の自分の「悪癖」も分かってきたという。まず、パソコンのモニターの位置が低くて見えにくい。椅子にもたれかかっていると視線の位置が低くなるので、モニターもそれに合わせていたのだ。

   普段は足を組んだり、靴を脱いで足を投げ出したりしていたことにも気づいた。姿勢を正しくするには、両足をしっかりと床につけるのが基本。キヨシさんは無意識のうちに足を組んでいたと明かすが、これは骨盤のゆがみにつながるとの指摘が、多くの整骨院や整体院のウェブサイトに掲載されている。骨盤のゆがみが腰痛を引き起こしたり、下半身太りの原因になったりするという。腰痛持ちのキヨシさんにとっては、ただちに直した方がよさそうな癖だが、もしかしたら「下半身太り」への影響もゼロではないかもしれない。

   正しい姿勢を保ち続けるというシンプルな動作が、実は相当エネルギーを費やすようだ。「開始後しばらくすると、腰のまわりがだんだん痛くなってきて、筋肉を使っていると実感します」とキヨシさん。何度も背もたれに当たってはね返されると、徐々に「背もたれに触れないように楽な姿勢をとろう」とズルい考えを持つようになる。だが、そもそも不自然な格好になるので、崩れた姿勢では長時間維持できない。結局、元のように背筋が伸びるよう座り直す。これを1日中何度も繰り返したそうだ。

もたれようとしても、ロックされた背もたれにはね返される
もたれようとしても、ロックされた背もたれにはね返される

姿勢だけでなく気持ちも引き締まった

編集部「わずか1日とはいえ、粘りましたね」
キヨシさん「座っているだけでダイエットできるなんて、甘い話なわけありませんでした(苦笑)」

   思わぬ効果もあった。正しい姿勢を続けていると、気分的にも引き締まるのだそうだ。「きちんとしなければいけない」という意識を持ち続けていれば、もしかしたら業務にも好ましい影響が及ぶかもしれない。

キヨシさん「座り方ひとつで、いろいろと変化があるものですね」

   まずは、姿勢正しく1日を過ごしてもグッタリ疲れないように慣れるのが目標だ。クリアできたら次は、時々足を上げて背筋を伸ばすような、仕事中でも可能な軽い運動を取り入れてみるという。

キヨシさん「今回の経験で、ひとつ格言ができました」
編集部「ほう、どんな」
キヨシさん「背もたれロックをしておけば、腰は決して沈まない」
編集部「......次回も頑張ってください」
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