「筋肉を使っていると実感します」
背筋を伸ばして仕事をしていると、普段の自分の「悪癖」も分かってきたという。まず、パソコンのモニターの位置が低くて見えにくい。椅子にもたれかかっていると視線の位置が低くなるので、モニターもそれに合わせていたのだ。
普段は足を組んだり、靴を脱いで足を投げ出したりしていたことにも気づいた。姿勢を正しくするには、両足をしっかりと床につけるのが基本。キヨシさんは無意識のうちに足を組んでいたと明かすが、これは骨盤のゆがみにつながるとの指摘が、多くの整骨院や整体院のウェブサイトに掲載されている。骨盤のゆがみが腰痛を引き起こしたり、下半身太りの原因になったりするという。腰痛持ちのキヨシさんにとっては、ただちに直した方がよさそうな癖だが、もしかしたら「下半身太り」への影響もゼロではないかもしれない。
正しい姿勢を保ち続けるというシンプルな動作が、実は相当エネルギーを費やすようだ。「開始後しばらくすると、腰のまわりがだんだん痛くなってきて、筋肉を使っていると実感します」とキヨシさん。何度も背もたれに当たってはね返されると、徐々に「背もたれに触れないように楽な姿勢をとろう」とズルい考えを持つようになる。だが、そもそも不自然な格好になるので、崩れた姿勢では長時間維持できない。結局、元のように背筋が伸びるよう座り直す。これを1日中何度も繰り返したそうだ。