「懲戒手続き中なのでお答えできない」
大渕愛子氏は、法テラスの契約弁護士になっていたが、法テラスでは12年2月23日付で1年間の契約停止措置を取ることを決めた。このことについては、法テラスのホームページ上で匿名で書かれている。
弁護士会の綱紀委では、こうした大渕氏の行為について、弁護士の品位を損なうものだと議決で指摘している。
議決では、大渕氏が女性からの委託契約書を作らなかった、交渉だけして元夫の両親に扶養料を請求しようとしなかった、元夫に養育費の減額調停を教える利敵行為をした、なども同様だとした。しかし、これらについては3年の時効が過ぎているとしている。
女性の依頼で大渕氏の懲戒請求をした太田真也弁護士は、取材に対し、次のように問題点を指摘する。
「弁護士に依頼するときは、着手金と成功報酬だけを支払うのが普通だと思います。顧問料を取るというのは異例で、これでは交渉が長引くほどお金がかかることになりますね」
大渕氏については、女性のほかに2人の3件について懲戒請求しているという。うち1件は綱紀委で懲戒委にかけないという結論になったが、残りの2件は綱紀委で調査中だとしている。今回の請求については、懲戒委での審査が16年に入って始まれば、3~6か月かかるのではとみている。
大渕氏所属事務所のタイタンでは、取材に対し、「相談依頼者の方への守秘義務があり、懲戒手続き中の段階では、何もお答えできません」とコメントしている。