走行中の車を前後から「挟み撃ち」し、乗っていた人を引きずり出して刃物で切り付けるなどした末に死亡させるという凄惨な事件が名古屋市で起きた。事件の様子は近隣住民が動画で撮影していた。動画では誰かが叫び声をあげている。加害者も被害者も外国人だとみられ、その叫び声はスペイン語系や中国、韓国といったアジア系とも違ったように聞こえる。ペルシャ語だとの指摘も出ている。
仮に叫び声がペルシャ語だとすれば、ペルシャ語を話すイラン人が犯行に関与した可能性も浮上しそうだ。2か月半ほど前には、3キロほど離れた場所でイラン人の少年が外国人を刃物で切り付けたとして逮捕されている(容疑者は逮捕時に関与を否定)。今後、こういった事例との関連も検証しながら捜査が進められることになりそうだ。
イラン人の逮捕事案の大半は薬物関係
事件は2015年12月20日午前1時30分頃起きた。現場は、名古屋駅から南東に約2キロ離れた、名古屋市中川区の高速道路の高架下にある片側3車線の道路だ。ワゴン車が北上していたところ、黒い車がワゴン車を追い越して前をふさぎ、別のセダンタイプの車が追突。ワゴン車は中央分離帯付近で停車せざるを得なくなった。
前後の車2台から5~6人の男が出てきてワゴン車に乗っていた男性を引きずり出し、刃物で切り付けたり殴ったりしたという。加害者の5~6人は車2台を放置した上で、別の車に乗り込んで逃走。被害者の男性は近くのコンビニに駆け込んで助けを求め、病院に搬送されたが約6時間後に出血性ショックで死亡した。
近隣住民が事件の様子を撮影し、報道各社に提供している。その動画では、犯人グループが乗ったとみられる自動車が現場を離れる様子が映っており、なんらかの外国語で叫ぶ声も収められている。この外国語がペルシャ語だとの見方も出ている。ペルシャ語を話す人は世界中に約4500万人程度いるとされ、主にイラン、タジキスタン、アフガニスタンなどで話される。特にイランでは唯一の公用語に定められている。