指の関節をポキポキ鳴らすのが癖になっている人が多いが、その時、関節の中では気泡が破裂して火花が散っている。
火花が先か、音が先か、長年の議論に決着をつける研究成果を、米カリフォルニア大学ヘルスシステム放射線医学部のロバート・ブーチン教授らがまとめて、2015年11~12月に米シカゴで開かれた北米放射線医学会年次集会で報告した。
ポキポキ鳴る音は火花の音ではなかった
ブーチン教授らによると、25~50%の人が習慣的に指をポキポキ鳴らしているが、どういうメカニズムで鳴るかについては議論が沸騰していた。
従来の有力な説はこうだ。指が鳴る時、その直前に関節の中に気泡が発生する。超音波画像で関節の内部を見ると、音が出るとほぼ同時に火花のような明るい閃光が走る。このため、閃光と音は気泡がはじける時に出ると思われてきた。
研究チームは、18~63歳の男女40人に計400回、指を鳴らしてもらい、超音波画像と高感度の集音装置を使い、映像と音の両面から検査した。
今回は音と閃光の時間差を調べた。すると、ピカッと光る直前に音が発生することがわかった。その差は平均で0.01秒だ。気泡がはじける音ではなく、気泡が作られる時の音だった。