母親のホルモン異常が子どもの自閉症リスクを高める

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   ホルモンバランスが乱れている母親から生まれた子どもは、自閉症になるリスクが非常に高いという研究結果を、スウェーデン・カロリンスカ研究所のキリアキ・コシドー博士らのチームがまとめて、2015年12月8日付の英医学誌「モレキュラー・サイカイアトリー」(電子版)に発表した。

   研究チームは、女性の多嚢(のう)胞性卵巣症群(PCOS)と呼ばれるホルモンバランス異常と子どもの自閉症との関連を調べるため、1984~2007年にスウェーデンで生まれたすべての子どもを対象に、自閉症の患者約2万4000人を特定した。そして、その母親にPCOSの症状があるかどうかを調べた。すると、母親がPCOSと診断されると、子どもの自閉症リスクが59%増えた。

   原因ははっきりしていないが、PCOSになると、卵巣で男性ホルモンのアンドロゲンが過剰に分泌される。このため、子どもが胎内にいたころから多量のアンドロゲンにさらされることが、自閉症発症の一因になると推測されるという。PCOSは女性の20~30人に1人がかかり、肥満になる人が多い。

   コシドー博士は「PCOSと肥満症の両方を抱える母親のグループでは、自閉症になるリスクがさらに高まりました」と指摘している。

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