ランドセルの市場拡大、中国・アジアに期待感
国内のランドセル市場は、少子化を背景に需要がしぼんでいる。それもあって、海外市場に活路を見出したいところ。
海外では町を歩いていると、ランドセルを背負ったおしゃれな大人の女性を見かけたり、颯爽と自転車を漕ぐ男性がランドセルを背負っていたりするという。最近は、パリでランドセルと学生服のファッションショーが開催されたこともあった。海外ではいまや、革製のおしゃれなカバンという位置づけのようだ。
船井総合研究所上席コンサルタントの岩崎剛幸氏によると、ランドセルの単価は上がってきているという。「ランドセルの国内単価は5年前には平均4万円弱でしたが、2015年には4万9000円にまで、1万円近くも上昇しました」。原因は材料費、なかでも革の高騰や、最近のランドセルは裏地やデザインに凝ってきている分、手間がかかって単価が上がる傾向にあるとみている。
一方、ランドセル市場は「この1年で飛躍的に伸びました」と話す。市場規模は2016年3月までの1年で500億円を見込んでいる。ただ、このうち海外市場はわずか1億~2億円と、まだまだウエートは低い。
とはいえ、期待は小さくない。岩崎氏は「最近は中国やアジアの方々が、羽田や成田空港で、お孫さんなどのおみやげ用として買って帰ります。日本製のランドセルは機能性が高く、子どもが背負いやすいのが特徴。信頼性も高い。アジアの方々が自国の学校で実用化される可能性はあります」とみている。
海外人気の拡大で、市場が一気に活気づくかもしれない。