クラブ部室で未成年の女子学生(19)が飲酒し、急性アルコール中毒で死亡した京都府立大は、学内での飲酒を全面的に禁止する措置を決めた。
近年、大学生の飲酒をめぐる事故が相次いでいることを受け、各大学では構内での飲酒を禁止する取り組みが進む。構内での飲酒を禁止する大学は過半数に上る。
京都府立大の女子学生が死亡
京都府立大の女子学生は2015年12月16日夜、部室内で約10人の学生らと酒を飲み、意識を失った。ウイスキーを紙コップで2杯飲んだとされ、救急搬送されたが、間もなく急性アルコール中毒による死亡が確認された。
同大学では食堂など一部施設での飲酒は認めていたが、もともと部室では禁止していた。事件を受け、構内での飲酒を全面的に禁止することを決めた。
「イッキ飲み防止連絡協議会」のまとめでは、急性アルコール中毒による大学生の死亡事故は2012年に5件、13年に4件、14年に3件、15年は12月18日現在で1件。減ってはいるものの、毎年亡くなる人が出続けている。
キャンパス内で全期間飲酒を禁止している大学は55.5%
学生の飲酒による事故が相次いでいることを受け、各大学で構内での飲酒を禁止する取り組みが進んでいる。「イッキ飲み防止連絡協議会」が2014年2月に発表した調査によると、キャンパス内で全期間飲酒を禁止している大学は55.5%に上った。学園祭の時期だけ禁止している大学は11.2%で、飲酒に関して何らかの規定を設けている大学は多い。
早稲田大は2011年4月から、一部レストランなどを除き、学内での飲酒を原則禁止した。同大広報によると新入生へのパンフレットや学生部サイトなどで注意喚起をしていて、特に未成年飲酒や、飲酒の強要をしないよう力を入れているという。
慶応大では構内全体の飲酒に関する規定はないが、部室などでの飲酒は認めていない。飲酒事故防止のために、新入生にアルコールパッチテストを行ったり、ガイダンスで注意喚起をしたりしているという。
東京大の場合、構内禁酒の規定はないが、入学時にガイダンスを行い、1年生向けにアルコール摂取の危険性を教える必修の授業がある。