【男と女の相談室】衝撃の論文「ジュースやドレッシングで歯が溶ける」 知っていますか、4人に1人がかかる「酸蝕症」

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   市販のジュースや炭酸飲料、缶ビールを飲むと、液体に含まれている酸によって歯が溶ける! ウソのように恐ろしい病気が私たちの歯をむしばんでいる。その名も「酸蝕症(さんしょくしょう)」という疾患だ。

   専門医のサイトによると、口内の雑菌(虫歯菌)から発生する酸が歯を溶かす「虫歯」はありふれた疾患として知られるが、酸蝕症は菌が作り出す酸ではなくて、口外や体内の胃などから入ってくる酸によって歯が溶ける。最初は歯の表面が丸みをおびてくるが、だんだん虫歯のように中に浸蝕してくる。胃液が口の中まで逆流する「逆流性食道炎」などの病気のほか、かつてはメッキ工場やガラス工場で酸性ガスを吸って起こる特別な職業病と考えられてきた。

  • 知らず知らずのうちに歯が溶け出している!?
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市販の飲み物の73%に歯を溶かす酸味が

   それが、国民の4人に1人に広がっているという衝撃的な論文が、2015年2月に日本補綴(ほてつ)歯科学会誌に発表された。筆者は、10年以上にわたって酸蝕症の啓蒙活動を行ってきた東京医科歯科大学の北迫勇一助教。北迫氏らの調査によると、1108人の男女(平均年齢49.1歳)の26.1%が酸蝕症にかかっていた。うち26.0%の人が歯の外側のエナメル質に穴があき、内側の象牙質にまで浸蝕が進んでいた。

   北迫氏は論文の中で、専門の歯科でも「当院では酸蝕症は見かけない」という人が珍しくなく、初期の段階では虫歯菌などによる歯の浸蝕と見誤られて認知が進んでいないと指摘している。

   酸蝕症は、液体の酸性・アルカリ性の度合いを示す水素イオン濃度「pH(ペーハー)値」が、5.5~5.7以下の酸性だと起こる。pH値は高いほどアルカリ性の度合いが強く、低いほど酸性の度合いが強い。北迫氏らは論文の中で市販の飲料を120種のpH値を調べた結果も発表した。73%が、エナメル質が溶け出す限界値の5.5~5.7以下だった。

   メーカーによって差はあるが、主な飲料のpH値は次のとおりだ(数が低いほど酸味が強い)。紅茶飲料(5.5)、みそ汁(5.5)、トマトジュース(5.0)、缶ビール(4.3)、オレンジジュース(4.0)赤ワイン(3.8)、青じそドレッシング(3.8)、スポーツドリンク(3.5)、ゆずポン酢(3.4)、黒酢ドリンク(3.1)、炭酸飲料(2.0)。ちなみに、5.7以上なのは、ウーロン茶、麦茶、牛乳などだ。

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