川島さんが受けた腹腔鏡手術には否定的
その治療法とは、患部に電極計を入れ、ラジオ波の電流を流して熱で固める「ラジオ波焼灼術」というものだ。川島なお美さんは、たまたま翌9月13日にラジオ波治療の名医とされる医師に予約を入れていたため、わが意を得たりと思った。
ところが、その医師にかかると、胆管の腫瘍はラジオ波では切除しきれず、9割方の医師は勧めないと言われ、途方に暮れてしまった。
川島さんは結局、10月になって腹腔鏡手術で患部を切除してもらうことを決め、14年1月に入って都内にある大学病院で手術に踏み切った。すでに、このときには腫瘍が見つかって5か月が経っており、約2倍の3.3センチにまで成長していた。
がんの再発がこのことと関係があるのかは分からない。しかし、川島さんは遺書で「先生の本でためになったこともたくさんあります」としながらも、近藤医師のやり方を疑問視し、「がんと診断された皆さん、決して『放置』などしないでください。まだやるべきことは残っています」と呼びかけた。
近藤医師は、川島さんのことについて、月刊誌「文藝春秋」11月号でインタビューに答えている。ラジオ波焼灼術を勧めたことを認めたうえで、川島さんが受けた腹腔鏡手術については否定的な見方をした。「川島さんが切除手術を受けなければ、余命がさらに伸びた可能性が高く、あれほど痩せることもなかったと、僕は思っています」と言っている。
川島さんの手記については、近藤医師は15日夕現在で特にコメントしていない模様だ。
ネット上では、近藤医師のやり方が議論になっており、「この件での近藤誠の責任は非常に大きい」と批判する声も多い。一方で、川島さんが、医療機関を回り過ぎたことに原因があるのではとの見方も多く、「早めに措置しておけば死なずに済んだ」といった声も出ていた。