新聞は生活の必需品なのか 軽減税率適用に「そんなバカな」と批判高まる

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政府批判の朝日・毎日は「適用を批判・返上しないのかね」

   新聞業界の中でも最も強く軽減税率の適用を主張していた読売新聞の「完勝」だと評するのは、12月18日の任期満了で政界引退を表明している大阪市の橋下徹市長だ。ツイッターに、

「こんなところで宅配率の高い新聞だけが軽減税率の適用。そんなバカな!と多くの国民は感じていると思うが、これが政治の現実。読売新聞の完勝だね。読売新聞は徹底して政権を支えてきた。その見返りで軽減税率を勝ち取った」

と書き込んだ。読売新聞の一貫した安倍政権寄りの姿勢が軽減税率適用につながったとの見方で、政権に批判的だった朝日・毎日に対する皮肉も忘れなかった。

「政権批判をしてきた朝日や毎日くらい新聞への適用を批判・返上しないのかね」

   各紙の軽減税率をめぐる社説には、若干の温度差がある。12月13日の読売新聞の社説では、これまでの主張を延々と繰り返した。

「海外では、軽減税率を採用する大半の国が、食品と並んで新聞や出版物を対象にしている。新聞と出版物は、民主主義の発展や活字文化の振興に貢献してきた。単なる消費財でなく、豊かな国民生活を維持するのに欠かせない公共財と言える。こうした社会的役割を踏まえ、日本でも、新聞と出版物に軽減税率を適用すべきである」

   対照的なのが、橋下氏から皮肉られた朝日・毎日の2紙だ。毎日新聞の社説では、

「与党間では新聞も対象にするよう調整しているという。欧州では書籍類も含め、『知識には課税しない』という考え方が定着しており、日本でもそれをふまえた制度設計が望ましい」

と諸手を挙げて賛成。対する朝日の社説では、

「政策の原点を忘れ、打算と駆け引きに終始した政治決着というほかない」

などと軽減税率の適用対象がなし崩し的に増えていったことを非難したが、新聞への適用については触れなかった。軽減税率の2%が経営に与える影響の差が社論の差になっているとの見方もできそうだ。

   日経新聞は12月11日の社説で税制大綱について取り上げる中で軽減税率についても触れたが、新聞への適用に関する言及はなかった。

「対象品目を生鮮食品から広げたのは、わかりやすさを優先し、増税の負担感を減らすという狙いがあるだろう。半面、膨らむ社会保障費を賄うべき歳入が見込みより減ることになる。この問題にどう対応するかが今後問われよう。政府は軽減税率の対象品目と対象外の品目について、事業者や消費者向けの周知を徹底し、導入前後の混乱をできるだけ小さくするよう全力を挙げてほしい」
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