京都のアジア系観光客「タバコポイ捨て」も急増 条例わからず「過料」徴収も最高ペース

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   大勢の観光客が押し寄せる京都で、路上喫煙禁止条例違反で過料を徴収される外国人観光客の増加がここ数年目立ち、2015年度も過去最高を突破する勢いだ。

   「世界一の観光地」ともいわれ、外国人観光客の数が増え続けることが一番の理由だが、その中でも多い中国や韓国などアジア系の外国人に自国とは違う喫煙マナーを徹底させることの難しさに、京都市は頭を抱えている。

  • 世界的観光都市ならではの問題
    世界的観光都市ならではの問題
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過料を払う外国人は中国と韓国の割合が多い

   京都市は2007年に路上喫煙禁止条例を施行した。四条河原町を始め繁華街を中心に禁止区域を設定し、08年6月から違反者に過料1000円を課している。12年2月からは清水・祇園などの観光地に禁止区域を拡大し、同時に観光客への喫煙マナー周知に力を入れている。

   市によると、全体の徴収者は年間約3000人で、ピーク時の12年度に比べると約6割まで減ったが、その内外国人観光客の数は、13年度は273人、14年度は395人、今年度は上半期だけで274人と増加傾向にある。特に中国、韓国人の違反者の割合が高いという。

   京都市は、運営する外国人向け観光サイトに禁止条例を多言語で説明するページを設けたほか、禁止区域を知らせる看板には韓国語、中国語を追加するなど外国人観光客に向けたPR活動を進めているが、それでも違反者は増えている。

   J-CASTが京都で観光案内ボランティアを行う複数団体に、路上喫煙者を見かけるかどうかを聞いたところ

「(喫煙違反の外国人は)しょっちゅう見ますよ。やはりもっぱら中国系の人です」

という声もあれば

「たぶん中国人だと思うんですけど、50歳くらいの人が吸っているところを複数回見かけたことがあります。ただ、タクシーの運転手など日本人の違反者のほうが多い気がします」
「あまり路上喫煙している外国人は見かけません」
「最近は日本人も外国人も喫煙マナーが良くなってると思う」

という声もあり、実際に観光現場に携わる人の印象にはバラつきもあった。

中国の旅行代理店に「日本のマナー」を働きかけ

   対策を進めているにもかかわらず違反者が増えている原因は、京都を訪れる外国人の数そのものが増加していることが背景にある。

   東日本大震災で一時落ち込んだ日本への外国人宿泊客の数は急激な回復をみせ、14年度は過去最高の183万人を記録した。米大手旅行誌が行った世界の人気観光地の投票で2年連続1位を獲得するなど、京都の世界的人気は圧倒的だ。特に中国、韓国を中心にアジア地域から訪れる外国人割合は57.7%(14年度)と高い。

   今後も増え続けることが予想される外国人観光客の現状に、

「実際にどういった対策が効果的かどうかは、はっきり『これだ』という答えが分からないのが現状」

と京都市のくらし安全推進課は話す。

   そのため、京都を訪れる「前」に日本での喫煙マナーを知ってもらう機会を増やしていくことにしている。

「京都での看板やネットでの告知内容などの改善策も進めていく予定ですが、膨大な数の観光客を斡旋する中国の旅行代理店に直接赴き、喫煙に限らず京都観光のマナー全般を伝え、観光客が日本に入国する前にルールを理解してもらえるよう働きかけています」

   世界観光都市ならではの悩みは解決するのだろうか。

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