中国の旅行代理店に「日本のマナー」を働きかけ
対策を進めているにもかかわらず違反者が増えている原因は、京都を訪れる外国人の数そのものが増加していることが背景にある。
東日本大震災で一時落ち込んだ日本への外国人宿泊客の数は急激な回復をみせ、14年度は過去最高の183万人を記録した。米大手旅行誌が行った世界の人気観光地の投票で2年連続1位を獲得するなど、京都の世界的人気は圧倒的だ。特に中国、韓国を中心にアジア地域から訪れる外国人割合は57.7%(14年度)と高い。
今後も増え続けることが予想される外国人観光客の現状に、
「実際にどういった対策が効果的かどうかは、はっきり『これだ』という答えが分からないのが現状」
と京都市のくらし安全推進課は話す。
そのため、京都を訪れる「前」に日本での喫煙マナーを知ってもらう機会を増やしていくことにしている。
「京都での看板やネットでの告知内容などの改善策も進めていく予定ですが、膨大な数の観光客を斡旋する中国の旅行代理店に直接赴き、喫煙に限らず京都観光のマナー全般を伝え、観光客が日本に入国する前にルールを理解してもらえるよう働きかけています」
世界観光都市ならではの悩みは解決するのだろうか。