若いころから20キロ以上増えると突然死リスクは2倍
また、成人期に適正体重だったのに中年期から体重が大幅に増えた女性も、18歳時のBMIにかかわらず心臓突然死のリスクが高かった。特に、成人期から中年期にかけて体重が20キロ以上増えた人は、適正体重を維持した人に比べて、心臓突然死の割合は約2倍に増えた。なお、成人期に過体重、肥満だった人は心臓疾患による死亡や心筋梗塞になる割合も高かったが、心臓突然死ほどではなかったという。
チルビー助教授は「現在はダイエットなどで適正な体重になっている人も、若いころに肥満歴があると心臓突然死のリスクが高いので、気をつけてほしい。心臓突然死のほぼ4分の3は、現行のガイドラインでは危険と判定されていない人に起こっています」と指摘している。
今回の研究では、なぜ過去の肥満歴がずっと悪影響を与え続けるのか説明していないため、米国の専門家たちは当惑顔だ。ある専門医は「肥満の体への影響は多次元的であるということでしょう。今回の研究をもとに減量と運動の重要性をさらに啓発していく必要があります」とコメントしている。