高さ制限による「希少性」と「ブランド力」が魅力
じつは、京都市内で高級マンションの人気は底堅く、「億ション」の発売も相次いでいる。
野村不動産が2015年12月5日から申し込みを受け付けている烏丸御池近くの「プラウド京都東洞院」は、最高価格2億3000万円(1戸)を含めた20戸弱が「億ション」。同社は「かなりの申し込みがあります」と話している。12日に受け付けを締め切り、抽選で購入者を決める手続きに入る。
不動産経済研究所によると、京都市内の「億ション」の発売戸数は、2012年はわずかに1戸。それが13年には18戸、14年は30戸と大きく伸び、集計をはじめた1996年以降で最多となった。15年は10月末までに28戸にのぼっている。過去最多は間違いない状況だ。
京都市内で高級マンションが好調な背景には、景観条例の高さ制限を背景とした希少価値や京都のブランド力の高さがある。「京都の碁盤の目の中は特殊なエリアです。好調な株価を背景に、富裕者層を中心とした人気はしばらく続くでしょう」と、不動産経済研究所の松田忠司主任研究員は景気回復の流れもあるとみている。