気軽にできるスポーツとして人気が高いウォーキング。健康には非常にいいが、体重を減らすには「少しきつめの速さで20~30分以上続けないとダメ」などといわれ、それなりの頑張りが必要だ。
ところが、「ペースを途中で変えるだけで、消費カロリーが最大で20%アップする」といううれしい研究を米オハイオ州立大学のチームがまとめて、米の医科学誌「バイオロジー・レターズ」の2015年9月号に発表した。
人間はトレッドミルの上で暮らしているわけではない
これまでのウォーキングの運動量の研究は、トレッドミル(ルームランナー)の上を一定速度で歩いて消費カロリーを測る方法がほとんどだ。しかし、研究チームは「人はトレッドミルの上で生活しているわけではなく、ずっと同じ速度で歩いているわけでもない。歩く速さを変えた場合の代謝エネルギーを調べることはとても重要だ」(ニディ・シサパッチ同大教授)として、被験者たちに色々な速度で歩いてもらった。
具体的には、一定の速度で動くトレッドミルの上で、速足でベルトの前方に出たり、速度を落として後方に下がったり、止まったりと、様々な速度で歩くことを繰り返してもらった。その結果、一定の速さで歩き続ける場合より、最大で20%も多くエネルギーを消費することがわかった。