故障と事件・事故が最大の敵
野茂英雄以来、大リーグで日本の投手が通用することは現実となった。今年もマリナーズの岩隈久志が野茂に次ぐノーヒットノーランを達成した。その実績を持って来年はドジャースに行く。年俸4500万ドル(約55億円)の高額契約を手にした。
大谷はあと数年し、故障さえなければ海外FA権を取得する。そのとき、どんな契約になるのだろうか。
これまでの日本投手の高額契約を振り返ってみよう。
▽松坂大輔(西武-レッドソックス)=6年、5200万ドル(約60億円)
▽ダルビッシュ有(日本ハム-レンジャース)=6年、5600万ドル+出来高(総額約6000万ドル、約72億円)
▽田中将大(楽天-ヤンキース)=7年、1億5500万ドル(約190億円)
ちなみに野茂は、1年目が日本円で980万円だったが、2年目は3年、430万㌦で契約した。黒田博樹(広島-ドジャース)は3年、3500万ドルだった。
松坂、ダルビッシュ、田中と比べ、大谷が今シーズンのような投球を保った場合、間違いなく田中を上回って5年、2億ドル(約240億円)はいく。
大谷は来年以降、故障が最大の敵となる。専属のトレーナーをつけることになるだろう。さらに事故や事件に巻き込まれないことにも格段の注意が必要になる。日常生活が大きく変わることは間違いない。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)