天気予報で「歯茎の痛み注意報」出す時代に 天候変化が歯周病の症状に影響

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「きょうは前線の通過により、気温の上昇が激しく、また気圧の変化も急でしたので、あすは歯茎の炎症がでやすいでしょう」

   将来の天気予報では、こんな「歯茎の痛み注意報」が出るかもしれない。

  • きょうは大荒れの天気だから歯に気をつけないと
    きょうは大荒れの天気だから歯に気をつけないと
  • きょうは大荒れの天気だから歯に気をつけないと

1時間ごとの急な気温上昇と気圧低下があると、シクシク痛み出す

   天候が歯周病の症状の急変に関与しているという研究を岡山大学大学院の森田学教授と竹内倫子助教のチームがまとめて、国際医学誌「ERPH」(電子版)の2015年8月5日号に発表した。

   気温や気圧の変化が歯茎の痛みや腫れに影響を与えているのだ。天候の変化によって症状が変わる病気は「気象病」や「お天気痛」と呼ばれ、うつ病や心筋梗塞、神経痛、リウマチ、頭痛などが知られている。

   研究チームは、2011~2013年の間に岡山大学病院予防歯科を受診した延べ2万34人の慢性歯周炎患者を対象に、症状の変化のデータを調べた。その中で口腔内の状態に関係なく急性症状が出て、原因がよく分からない153人(平均年齢68.7歳)に着目。岡山地方気象台のデータを使い、発症時の状態と気象条件との関連を分析した。

   その結果、(1)1時間ごとに急激に気圧が下がった日と(2)1時間ごとに急激に気温が上昇した日の1~3日後に、歯茎の痛みや腫れが発症するケースが多いことがわかった。メカニズムは不明だが、気圧や気温の急な変化がホルモン分泌などに影響を与え、歯周菌の増殖にかかわったとみられるという。

40歳以上の日本人の8割以上が歯周病

   40歳以上の日本人の8割以上が歯周病にかかっており、今回の研究について竹内助教はこうコメントしている。

「さらに研究を深めて、どの程度の気温上昇や気圧低下があると、急な症状が現れるかを突きとめて、天気予報のように『歯周病注意報』を出せる仕組みを作りたい」
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