ひざ痛や腰痛、血圧の高い人でも無理なくできる
スロートレーニングは、米国のバスケットボールやフットボールの選手にも広がっている。プロのアスリートにとって、重い器具を使ったトレーニングは、靭帯の損傷や筋肉の断裂を引き起こす危険があり、選手生命に影響する。スロトレなら膝や関節への負担が少ないのでケガの予防をしながらトレーニングできるからだ。日本でも各地の高齢者向けの健康教室で取り入れるところが増えている。ここでスロトレのメリットをまとめてみよう。
(1)じんわりと行うので、普段あまり使わない細かい筋肉や体幹の奥の筋肉を刺激することができる。
(2)ゆっくりと行うので正確なフォームを保ちやすく、効果があがりやすい。
(3)場所をとらず、器具もいらないので自宅でできる。
(4)ひざ痛や腰痛、血圧の高い人でも無理のないレベルで行うことができる。
最後に、石井教授がテレビなどで推奨している、高齢者でもできる初心者向けの基本的なエクササイズを紹介しよう。
【ニートゥチェスト】(腹筋と下腹部、特に大腰筋に効き、高齢者の転倒予防に)
(1)椅子に座って右足をゆっくり上げる。息を吐きながら胸に近づける。
(2)その右足を、息を吸いながらゆっくり元に戻す。
(3)今度は左足で同じことを繰り返す。
【ニーアップ&バックキック】(体幹とお尻を鍛え、体のバランスをよくする)
(1)椅子につかまり、太ももをゆっくり上げていく。そのまま、ゆっくり膝を伸ばして後ろに蹴っていく。その足をゆっくり戻す。
(2)反対側の足で同じことを繰り返す。ポイントは、息を吐きながら上げ、息を吸いながら蹴る。股関節を大きく動かすこと。