あまりに楽観すぎる先行き見通し
ただ、東芝が示した原発事業の先行きに見通しは、あまりに楽観的との声が多い。世界で建設計画のある原発は400基以上だが、このうち64基の受注を目指していると説明。原子力の事業計画では2018~2029年度の平均売上高を1兆4000億円と現状の2倍以上を見込み、営業利益は年平均1500億円に引き上げるとした。しかし、東日本大震災以降、原発の新規受注はゼロで、今回の計画も「絵に描いた餅」になりかねない。原発事業の収益力低下を認める事態になれば、東芝自身が計上しているWH関連ののれん代(今年9月末で3441億円)に巨額の損失が出る可能性がある。原発事業が東芝立て直しのカギを握るとされるだけに、「収益を上げられると見込むほかない」というのが実情ということのようだ。