東芝の「アキレス腱」原発が抱えた巨額損失 会計不祥事の後も続く「隠蔽」体質

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情報開示の不手際が「不信」に拍車

   今年春に会計不祥事が発覚して以降、東芝は記者会見をすぐに開かなかったり、深夜に情報を出したりするなど、広報対応の不手際が目立ち、情報公開に対する姿勢を疑われ続けてきた。この間、WHをふくむ原発事業について、記者会見などでも損失の可能性を問われたのは一度や二度ではない。それだけに、今回のWHをめぐる問題は、同社の情報開示に対する後ろ向きの姿勢の、いわば「決定版」となった格好で、改めて市場関係者から批判が噴出。やむなく11月27日に室町正志社長が記者会見を開き、WHの業績推移などを説明する異例の事態になった。

   室町社長は会見の冒頭で「不十分な開示姿勢を深くお詫びしたい」と陳謝。そのうえでWHや東芝の原発事業の業績推移を初めて公表した。原発の新規建設部門の低迷でWHは2012年度に8億6600万ドル、2013年度に5億7300万ドルの営業赤字を計上。ともに当時の為替レートで数百億円規模に上る。一方、東芝本体の原発事業も2013年度に358億円、2014年度に29億円の赤字に陥っていたことを明らかにした。

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