分裂「維新」 支持率は「大阪系」が圧倒 「東京系」埋没で民主との合流どうなる?

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   維新の党の「東京系」と「大阪系」による分裂騒動は、大阪系が求めていたとおり、維新の党が解党することで決着した。東京系は民主党と「統一会派」結成で合意しているが、「新党」として合流し野党再編につながるかは未知数だ。

   一方の大阪系は、すでに新党「おおさか維新の会」を結成、複数の世論調査で東京系を大きく上回る支持を得ている。2016年夏の参院選に向けた両陣営の戦略も、かなり違ったものになりそうだ。

  • 「おおさか維新」は野党としては民主党に次ぐ支持率を集めている(2015年5月撮影)
    「おおさか維新」は野党としては民主党に次ぐ支持率を集めている(2015年5月撮影)
  • 「おおさか維新」は野党としては民主党に次ぐ支持率を集めている(2015年5月撮影)

「維新の党」は解党に正式合意

   東京系の「維新の党」松野頼久代表と大阪系の馬場伸幸衆院議員は15年12月8日に国会内で会談し、維新の党の解党に同意する文書に署名した。文書には解党の期限は明記されていないが、16年夏の参院選には「解党後」の体制で臨むとみられる。

   これで分裂騒動は収束に向かうことになり、両陣営は完全に別々の道を歩むことになる。すでに世論調査では、両陣営を取り巻く環境の違いが浮き彫りになっている。

   毎日新聞が15年12月5~6日にかけて行った世論調査によると、政党支持率が最も高かったのが自民党で、前回10月の調査比2ポイント減の29%だった。次に多かったのが民主党で同2ポイント減の7%。その次に多かったのが6%の支持を得た「おおさか維新の会」で、同じ3%の公明党と共産党(それぞれ同1ポイント減)を大きく上回った。維新の党は前回より3ポイントも減って1%にまで下落した。

民主に肉薄する「大阪系」の全国支持率

   読売新聞が12月4~6日に行った世論調査でも、毎日新聞と同様に「大阪系」が圧倒的に優勢だ。自民党の支持率は前回11月調査から4ポイント減の36%で、続く民主党は7%で横ばいだった。共産党と「おおさか維新」が4%と並んだが、共産党は前回比で1ポイント減らしたのに対して「おおさか維新」は2ポイント伸ばした。これに対して「東京系」の「維新」は0%で横ばい。「測定不能」に近い低支持率が続いているわけだ。

   先述の毎日新聞の調査では、

「橋下徹大阪市長らが結成した、新しい政党『おおさか維新の会』に、期待しますか、期待しませんか」

という質問項目もあり、「期待する」という回答が40%にのぼった。それを上回る51%の人が「期待しない」と回答したが、全国的に「おおさか維新」に対してある程度の期待感があることは読み取れる。世論調査の結果を報じる12月7日の記事によると、「支持率は、近畿地区では自民党と並ぶ20%に達した」という。

   橋下氏率いる地域政党「大阪維新の会」公認候補が圧勝した11月22日投開票の大阪府知事、大阪市長のダブル選の勢いを引き継いでいる可能性もありそうだ。

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