維新の党の「東京系」と「大阪系」による分裂騒動は、大阪系が求めていたとおり、維新の党が解党することで決着した。東京系は民主党と「統一会派」結成で合意しているが、「新党」として合流し野党再編につながるかは未知数だ。
一方の大阪系は、すでに新党「おおさか維新の会」を結成、複数の世論調査で東京系を大きく上回る支持を得ている。2016年夏の参院選に向けた両陣営の戦略も、かなり違ったものになりそうだ。
「維新の党」は解党に正式合意
東京系の「維新の党」松野頼久代表と大阪系の馬場伸幸衆院議員は15年12月8日に国会内で会談し、維新の党の解党に同意する文書に署名した。文書には解党の期限は明記されていないが、16年夏の参院選には「解党後」の体制で臨むとみられる。
これで分裂騒動は収束に向かうことになり、両陣営は完全に別々の道を歩むことになる。すでに世論調査では、両陣営を取り巻く環境の違いが浮き彫りになっている。
毎日新聞が15年12月5~6日にかけて行った世論調査によると、政党支持率が最も高かったのが自民党で、前回10月の調査比2ポイント減の29%だった。次に多かったのが民主党で同2ポイント減の7%。その次に多かったのが6%の支持を得た「おおさか維新の会」で、同じ3%の公明党と共産党(それぞれ同1ポイント減)を大きく上回った。維新の党は前回より3ポイントも減って1%にまで下落した。