現「東名」の渋滞は4分の1以下に?
浜松いなさ-豊田東間の工事は難航した。本来は2015年3月の開通を目指してきたが、工事の途中で重金属を含む土砂の処理や、橋梁の基礎部分の沈下への対応などの難題が発生。このため、中日本高速は2014年7月、開通を2016年3月に1年遅らせると発表した。しかしこれに愛知県はじめ地元が反発したこともあって中日本高速は約300億円を追加投資して、約1か月「前倒し」した経緯がある。
新区間のサービスエリア「ネオパーサ岡崎」には、名古屋で有名なみそかつ店「矢場とん」や地元で人気のベーカリー「パンのトラ」など15店が出店し、ドライバーらをもてなす。また、長篠設楽原パーキングエリアは、「長篠・設楽原の戦い」をコンセプトに外観を本陣に見立てた凝りようで、火縄銃の展示などもある。
今回の開通によって、3時間程度かかっていた東名高速経由の御殿場JCT-豊田JCT間は、新東名を利用することで1時間程度短縮できるという。
これにより東名高速側では渋滞が緩和される。これまで、豊田JCT-三ケ日JCT(浜松市)は年間600回程度の渋滞(時速40キロ以下の状態が1キロ以上かつ15分以上)が発生する区間だったが、通行の分散が図られることで渋滞の発生回数は4分の1以下に減ると見込まれ、事故の減少にもつながることも期待される。新区間周辺にはトヨタ自動車やスズキなどがグループを含めた工場を数多く立地しており、物流のスピードアップで生産効率化につながりそうだ。