コストコは「同一労働同一賃金」
他の地域は、コストコ出店でどのような影響を受けたのか。中部地方1号店のコストコ中部空港倉庫店が2013年8月にオープンした愛知県常滑市では、地域の賃金相場が底上げされたという。15年10月7日付け中日新聞電子版によると、パートの時給は10年前に中部国際空港(セントレア)ができてから上がり、コストコ出店後はコンビニなどで時給1000円が普通になった。市内の居酒屋や製造業は、求人に苦労しているようだ。
その上で、「コストコができ、地元の中小企業の経営者が従業員の賃金や働きがいを意識するようになったのは良い点だ」という常滑商工会議所担当者の言葉を伝えている。
コストコはアルバイトの時給に「同一労働同一賃金」を徹底させている。現在全国に展開する24店舗では、すべて同じ時給で働ける。「最低でも1200円」は全国共通というわけだ。
一般的に、日本企業は店舗所在地によってアルバイトの時給を分ける傾向にある。求人情報誌「TOWNWORK」を発行するリクルートジョブズが15年10月20日に発表した「2015年9月 アルバイト・パート募集時平均時給調査」によると、販売・サービス系のアルバイトの時給は最も低い九州地域(798円)と最も高い首都圏(984円)の間で200円近い差がある。