おしっこがしたくて夜中に何度もトイレに起きてしまう人は、塩分を摂(と)りすぎているからという研究を長崎大学病院の松尾朋博助教らのチームがまとめて、2015年9月に開かれた日本排尿機能学会で発表、同学会賞を受賞した。
「夜間頻尿」は、おしっこのために1回以上起きてしまう症状のことで、日本泌尿器科学会によると、約4500万人が悩まされている。年をとるとともに増えていくが、原因については、高血圧や糖尿病など生活習慣病との関連が指摘されているものの、はっきりわかっていなかった。
松尾助教らは、長崎大学病院などで経過観察中の患者728人(平均年齢62.6歳)を対象に、夜間の排尿量と排尿時の塩分量を調べた。その結果、塩分が増えるにつれて、昼夜を問わず排尿量と回数が多くなり、1日の総排尿量に占める夜間排尿量の割合も高くなった。
松尾助教は「塩分の摂り過ぎが水分の摂り過ぎにつながり、夜の排尿が増える原因になっています。まず、毎日の食生活で塩分を控えることが、夜間頻尿の予防と治療につながります」と話している。