テレビの料理番組を見ると太るってホント?

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   料理が大好きで、外食よりも自炊の方が健康にいいと信じているアナタ、テレビの料理番組が大好きだったりしませんか。

   「ええ、レシピをメモして作って食べているけど、なにか?」。あ~あ、ソレ、太るもとなんですヨ!

  • 「出来上がりが楽しみ~」なワケないか(イラスト:サカタルージ)
    「出来上がりが楽しみ~」なワケないか(イラスト:サカタルージ)
  • 「出来上がりが楽しみ~」なワケないか(イラスト:サカタルージ)

料理番組を見ることが悪いのではないが...

   2015年2月に米国の料理研究誌「Appetite」に、米コーネル大学の研究チームらが発表した調査がある。20歳から35歳までの米国の平均的な女性たちを対象に、(1)料理番組を見る頻度(2)実際にその番組のレシピどおりに料理を作るかどうか(3)料理や食材の情報をいつもどこから得ているか(4)自炊が多いか外食が多いかなど普段の食生活(5)身長、体重およびBMI(肥満指数)を調べたのだ。

   その結果は、「料理番組をよく見ており、なおかつ番組のレシピどおりに料理を作って食べている人」が最も太っていた。この人たちの平均体重は73.8キロで、そうでない人の平均体重68.9キロより約5キロも重かった。また、BMIの平均も27.5(米国の基準では過体重)で、そうでない人の平均の25.6(ほぼ標準)より高かった。

   ちなみに、「料理番組をよく見ているが、料理は作らない人」と「料理番組を見ない人」との間には全く差がなかった。つまり、料理番組を見ることが悪いのではなく、番組どおりに作った料理を食べることが太る原因になるわけだ。

人気シェフの料理、視聴者はカロリー気にせずまねる

   なぜなのだろうか。研究リーダーのリジー・ポープ教授はこう説明する。

「これは『権威』が原因です。有名シェフや著名人など権威のある人が料理を作ると、視聴者はカロリーや栄養など気にしないでまねしてしまいます。普段、ダイエットに気を使い、うかつに間食をしない人でも料理番組の『罠』にはまることがわかりました」

   ここで米国の料理番組事情を説明しよう。米国では「フードネットワーク」という料理専門のテレビ局があり、国民の食生活に影響力を持っている。普通の料理レシピ紹介から視聴者が腕を競い合う料理バトル、ご当地レストランの紹介、そして個性豊かなセレブシェフたちの人気コーナーなど、料理がバラエティー化している。フードネットワークは、番組を見ている全米の家庭の食事メニューの72%に影響を与えているというデータもある。

   セレブシェフの中には環境や体に優しいヘルシーメニューを紹介する人もいるが、「バターやクリームこってり、砂糖たっぷり、揚げ物いっぱい」という「ザ・アメリカのママ」のような人も少なくない。

ツイッターやフェイスブックの写真もアブナイ!

   ポープ教授は「番組で紹介される料理の多くは、ゴージャスな『ごほうびメニュー』で、決して栄養やカロリーの面で健康的とは言えません。その証拠に今回の調査では、見て楽しんでいるだけの人はスリムでした」と語る。

   この調査とは別に、2012年に英国でテレビの料理番組で紹介されたレシピの栄養とカロリーを調査した研究がある。それによると、世界保健機関(WHO)の栄養ガイドラインより平均して脂肪や塩分が多く、カロリーも高かった。一般のスーパーで売られている惣菜よりも不健康だったという。

   米コーネル大学の調査では、BMI(肥満指数)の高い人は、フェイスブックやツイッターなどの投稿から料理情報を得ている人が多いことも明らかになった。逆に、料理雑誌や新聞など紙の媒体から情報をとる人はスリムだったという。ポープ教授は「ソーシャルメディアで友人らが投稿する写真は、必ずしも健康な食事ではありませんが、『親しみ』から不健康な食事が当たり前のように思ってしまうのではないか」と推測している。これも、ソーシャルメディアの『罠』だろうか。

姉妹サイト