【あさイチ】(NHK)2015年11月17日放送
「気圧の変化で起こる頭痛はこう防げ」
「雲行きが怪しくなると頭痛がする」「古傷が痛むと雨が降る」という話をよく聞く。これは医学的に裏付けられた症状で、「お天気痛ドクター」として知られる名古屋大学の佐藤純教授(気圧医学)によると、「気象病」というそうだ。
「本日は曇りのち雨」という天気予報を聞くだけで頭痛や体調不良を感じる人が約1000万人いる。
「頭痛予測アプリ」も登場
気圧の変化から頭痛を予測するアプリも登場した。リポーターの西堀裕美アナが、そんなスマートフォン向けアプリ「頭痛ーる」を提供しているウェブサイト運営会社「ポッケ」を訪ねた。「頭痛ーる」は現在、約40万人が利用。開発担当の飯山隆茂さんが登場、女性社員たちに声をかけて回った。
飯山さん「今日はどう?」
女性社員「朝からだるいです。もうすぐ頭が痛くなりそうです」
西堀アナ「(飯山さんに)なぜ、一人一人に聞いているのですか?」
飯山さん「うちの社員60人中、15人が頭痛もちです。いつ、どんな天気の時に頭痛が起こるか、天気図や気圧、気温などのデータと15人の症状の記録を8か月間つけました。そして独自の方程式を編み出して頭痛の予測をしています」
耳の気圧センサーが敏感すぎるとストレスに
MCの井ノ原快彦「どうして天気と頭痛が関係あるの?」
西堀アナが、佐藤教授から聞いてきた気圧と頭痛のメカニズムを説明する。
「人間の耳には内耳という平衡感覚を司る器官があり、内耳に気圧の変化を捉えるセンサーがあります。気圧センサーが敏感な人は、気圧のわずかな変化でも平衡感覚が狂い、『体が揺れているよ~』と脳に伝えます。ところが、目からは『揺れていないよ~』という情報が伝えられ、脳が混乱してストレスを感じます。そのストレスが全身の神経に伝わり、頭痛や関節痛などの体調不良につながるのです」
MCの有働由美子「へえ~、そうなんだ」
ここで毎日、天気予報のサイトから気象データを記録し、頭痛を防いでいる福田佳織里さんが登場。福田さんは頭痛もちだが、気圧が大きく変わりそうだとわかると、頭痛が起こる前に「クルマの酔い止めの薬」を飲んで効果を上げている。
MCの柳澤秀夫「鎮痛剤じゃなくて、なぜ、クルマの酔い止めの薬なの?」
西堀アナ「クルマ酔いも内耳の平衡感覚が狂う点では、気圧の変化と同じメカニズムだからです。ただし、酔い止めの薬が頭痛に効くには2つ条件があります。1つ目は、頭痛の原因が気圧の変化だとわかっていること。2つ目は頭痛が起こる前に飲むことです」
天気図を見ただけで頭痛が治る人も
自分の慢性的な頭痛が「気象病」ではないかと知るためには、毎日、日記を書いたり、メモをつけたりして、しっかり把握することが大事だ。
柳澤「面倒くさいな~。『病は気から』というから、かえって天気図を見ただけで頭が痛くなる人がいるんじゃないの?」
西堀アナ「いえ、逆です。自分が気象病だとわかると、天気図を見ただけで、『これから気圧が下がるから頭が痛くなる』と予想ができて、それがかえって安心感になって頭痛が治る人もいるんです」
井ノ原「ホント?」
柳澤「それこそ、『病は気から』じゃないの~(笑)。オレ、雨の予報を聞いただけで職場に来たくなくなるよ」
有働「私は、晴れの予報を聞いただけで(笑)」