東京の税収はさらに地方に回されるのか? 消費増税の影で「地方法人税」めぐる攻防

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地方へ回す財源を幅広く検討

   今後の議論の方向性は、ある程度見えている。

   2014年度の税制改正大綱では、消費税率が10%になった段階で「地方法人特別税」を廃止する一方、「それに伴う代替措置などを幅広く検討」するとし、「法人住民税の地方交付税原資化をさらに進める」と、具体的に書かれている。法人住民税を調整のための主な財源にし、地方法人事業税から召し上げて配分する特別税は廃止も考える、ということだ。15年6月に閣議決定された経済財政運営の「骨太の方針」でも「税源の偏在(格差)是正策を講ずる」と明記している。2017年4月からの消費税率10%へのアップをにらみ、15年末の2016年度税制改正大綱に、新たな制度を盛り込もうというのが総務省の方針だ。

   東京都の舛添知事は、自治体間の税源の奪い合いでなく、思い切った税源の地方移譲といった「大きな構造改革」を訴える。それは正論としても、制度改正の方向性がかなりはっきりしているうえ、東京都など一部の裕福な自治体を除く圧倒的多数の自治体が格差是正措置を切望する立場だけに、東京都の分の悪さは否めない。東京五輪をめぐる新国立競技場の負担も決まったが、「政権とのパイプ」をPRして当選した舛添知事はどんな手腕を見せるのか。

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