名門「女子学院」を揺るがす日テレ「風紀問題」 看板番組「嵐にしやがれ」収録の余波とは

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   日本テレビが進めている東京・麹町の「新スタジオ」建設について、隣接する名門進学校「女子学院中学校・高等学校」から、教育環境の悪化を懸念する声が出ている。

   日テレは旧本社ビルにあたる「麹町スタジオ」を麹町に置き、「嵐にしやがれ」や「行列のできる法律相談所」といった人気番組を収録している。今、老朽化の進む「麹町スタジオ」を取り壊し、その隣に高さ60メートルの「新スタジオ」を建てる計画が進んでいる。

  • 新スタジオ建設が周辺地域に波紋広げる(写真は旧本社ビルのロゴマーク。2015年12月3日撮影)
    新スタジオ建設が周辺地域に波紋広げる(写真は旧本社ビルのロゴマーク。2015年12月3日撮影)
  • 新スタジオ建設に揺れる女子学院(2015年12月3日撮影)
    新スタジオ建設に揺れる女子学院(2015年12月3日撮影)
  • 普段は芸能人の「出待ち」や観覧客が並ぶ旧本社ビル外(2015年12月3日撮影)
    普段は芸能人の「出待ち」や観覧客が並ぶ旧本社ビル外(2015年12月3日撮影)
  • 新スタジオ建設予定地のすぐ隣に女子学院校舎(2015年12月3日撮影)
    新スタジオ建設予定地のすぐ隣に女子学院校舎(2015年12月3日撮影)
  • 新スタジオ建設が周辺地域に波紋広げる(写真は旧本社ビルのロゴマーク。2015年12月3日撮影)
  • 新スタジオ建設に揺れる女子学院(2015年12月3日撮影)
  • 普段は芸能人の「出待ち」や観覧客が並ぶ旧本社ビル外(2015年12月3日撮影)
  • 新スタジオ建設予定地のすぐ隣に女子学院校舎(2015年12月3日撮影)

麹町スタジオ周辺には「出待ち」の列が

   閑静な高級住宅街と名門校が密集する麹町は、東京都内でも有名な「文教地区」だ。日テレは、2003年に東京・汐留へ移転するまで、ここに本社を構えた。北館、南館、西館からなる旧本社ビルは現在も「麹町スタジオ」と呼ばれる収録施設として機能し、「嵐にしやがれ」「行列のできる法律相談所」「世界の果てまでイッテQ!」といった同局の看板番組が収録されている。

   そんなビルも年月を経て老朽化し、2015年10月末から「新スタジオ」の建設が始まった。完成は2020年夏ごろで、3館の機能を集約した地上11階地下5階、高さ60メートルもの高層ビルが旧本社ビルの隣に建つ予定だ。

   しかし、こうした建設計画は隣接する学校などから反発を招いている。とりわけ、新スタジオと細い道を挟んで隣り合う予定の女子学院は、15年夏ごろから千代田区議会や東京都議会に陳情書を提出するなど、強い懸念を示してきた。同校は創立100年を超え、関東の女子校でも東大合格者数の多い「御三家」に数えられる名門だ。

   同校担当者は、J-CASTニュースの取材に対しこう話す。

   旧本社ビルの外は、芸能人を「出待ち」するファンやスタジオ観覧客が行列を作り、深夜に人の出入りがあることも多い。新スタジオ完成後は校舎の近くをこうした人々が歩き回る可能性がある。また、工事中の騒音も問題視されている。

「もともと建っていた建物の基礎部分を壊す準備工事が夏ごろから始まったのですが、ひどい騒音でした。これからもっと大きい音になるのでしょうか」(同校担当者)

   保護者や生徒も声を上げているようだ。保護者は「工事のことだとか、風紀の悪化だとか」、生徒は「昼休みに弁当を食べたり、友人と話したりする屋上庭園の環境が悪くなること」を心配しているという。

東京都の仲介で両者が話し合いを続行中

   同校は新スタジオについて、旧本社ビルの南館や西館が面する大通り(日テレ通り)沿いに建てるか、段階的に建てて欲しいという趣旨の陳情書を15年6月に東京都へ提出。現在、都の仲介を受けて日テレとの話し合いを進めている。同校の担当者は、

「もっと教育環境に配慮する形で建設を進めてもらいたいです。麹町は雙葉学園さんや麹町女子学園さんなど創立100年を超える学校もたくさんある、落ち着いた、静かで、文化的な土地です。もっと、建築物が教育機関と融合して地域の質を高めていく、という考えがあってもいいんじゃないでしょうか」

   日テレ側も、新スタジオ完成後は芸能人の出待ちや観覧客を敷地内に入れる、女子学院側に窓を作らない、といった配慮を示しており、工事中の騒音も「何らかの対応はする」と約束しているようだ。

   新スタジオ建設に関する日テレの見解はどういったものか。取材を申し込んだが、「担当者が終日不在」とのことで話を聞けなかった。

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