日本テレビが進めている東京・麹町の「新スタジオ」建設について、隣接する名門進学校「女子学院中学校・高等学校」から、教育環境の悪化を懸念する声が出ている。
日テレは旧本社ビルにあたる「麹町スタジオ」を麹町に置き、「嵐にしやがれ」や「行列のできる法律相談所」といった人気番組を収録している。今、老朽化の進む「麹町スタジオ」を取り壊し、その隣に高さ60メートルの「新スタジオ」を建てる計画が進んでいる。
麹町スタジオ周辺には「出待ち」の列が
閑静な高級住宅街と名門校が密集する麹町は、東京都内でも有名な「文教地区」だ。日テレは、2003年に東京・汐留へ移転するまで、ここに本社を構えた。北館、南館、西館からなる旧本社ビルは現在も「麹町スタジオ」と呼ばれる収録施設として機能し、「嵐にしやがれ」「行列のできる法律相談所」「世界の果てまでイッテQ!」といった同局の看板番組が収録されている。
そんなビルも年月を経て老朽化し、2015年10月末から「新スタジオ」の建設が始まった。完成は2020年夏ごろで、3館の機能を集約した地上11階地下5階、高さ60メートルもの高層ビルが旧本社ビルの隣に建つ予定だ。
しかし、こうした建設計画は隣接する学校などから反発を招いている。とりわけ、新スタジオと細い道を挟んで隣り合う予定の女子学院は、15年夏ごろから千代田区議会や東京都議会に陳情書を提出するなど、強い懸念を示してきた。同校は創立100年を超え、関東の女子校でも東大合格者数の多い「御三家」に数えられる名門だ。
同校担当者は、J-CASTニュースの取材に対しこう話す。
旧本社ビルの外は、芸能人を「出待ち」するファンやスタジオ観覧客が行列を作り、深夜に人の出入りがあることも多い。新スタジオ完成後は校舎の近くをこうした人々が歩き回る可能性がある。また、工事中の騒音も問題視されている。
「もともと建っていた建物の基礎部分を壊す準備工事が夏ごろから始まったのですが、ひどい騒音でした。これからもっと大きい音になるのでしょうか」(同校担当者)
保護者や生徒も声を上げているようだ。保護者は「工事のことだとか、風紀の悪化だとか」、生徒は「昼休みに弁当を食べたり、友人と話したりする屋上庭園の環境が悪くなること」を心配しているという。