「9-3÷1/3+1」が計算できなくて大丈夫なのか? 1部上場企業技術者「小学生以下」学力の実態

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

1980年代の正答率は9割だった

   じつはこの「9-3÷1/3+1」の計算問題は、四則計算、とくに分数への理解力をみるための類型問題とされ、ある製造業企業が高校や大学を卒業したばかりの新人技術者に行っていた算数テストにも出題されていた。

   中部経済連合会の「日本のものづくりの競争力再生と産業構造転換の推進」(2012年2月)に若手労働者の学力・能力低下の事例として盛り込まれ、その製造業企業の技術者の正答率は4割しかなかった。この企業では毎年、同様の算数テストを実施しており、1980年代の正答率は9割だったという。

   日本人の学力水準が落ちている「証拠」としては、経済協力開発機構(OECD)が3年ごとに実施している生徒の学習到達度調査(PISA)がある。それによると、「数学的知識」で日本は2000年に第1位だったが、その後03年には6位、06年は10位まで後退。09年に9位、12年には7位とやや戻してきたところ。2003年に第1位だった「科学的知識」も、12年には4位まで後退してしまった。

   最近は、「理数系」といっても生物や化学しかやっていない技術者も少なくないようで、大学受験でも数学III(微積分などを習う)を課さない理数系学部・学科もある。企業が採用時に学生に求める能力と実際の能力の差が広がっているのは間違いないようだ。

1 2 3
姉妹サイト