「あなたは破産したことがありますか?」。この質問に、東京ローカル局、TOKYO MXの名物番組「5時に夢中!」視聴者の13%が「ある」と回答した。
司法統計によるとこの数年、1年間の自己破産件数は10万件以下。そう考えると、かなり高い割合だ。出演者も「割合高過ぎでしょ!」と驚いている。
司会のふかわりょう「割合高すぎでしょ!」
2015年12月2日生放送の「5時に夢中!」は、「日刊ゲンダイ」(12月3日付)に掲載されたAV監督村西とおるさんの自己破産に関するコラムを受けて、視聴者に「あなたは破産したことがありますか?」と、ネットやFAXでアンケートを行った。
番組の放送が始まって約30分後の中間発表では、破産したことが「ある」は607人、「ない」は2825人。17.5%が自己破産の経験がある計算だ。司会のふかわりょうさんは「割合高過ぎでしょ!」とビックリ。ほかの出演者も驚いた様子だった。
最終的には「ある」が718人、「ない」が4556人。13.6%が自己破産を経験していた。
番組では、視聴者から寄せられたエピソードも紹介された。栃木県の女性は「女性向けのかなり変わった下着」を販売していたが、うまくいかず、会社が倒産。48歳の男性は銀行に400万円を借りていて、カードローンで何とかやりくりする「自己破産予備軍」だという。
39歳の男性は交際していた「男性」の借金を肩代わりしたが、いつの間にか音信不通に。さらに職場から雇用契約を解除され、5月に自己破産した。
「夕方の5時にテレビを見ているくらいだから...」
この番組のように、自己破産の経験をたずねるアンケート調査はほとんど見当たらないため比較はできないが、今回の結果はかなり高い割合とみられる。
司法統計によると、2014年の自己破産件数は7万3368件。総務省統計局の同年12月の人口1億2707万人で割ると、0.06%以下。1年あたりの割合なので、単純には比べられないが、今回のアンケート結果は極めて意外な数字であるといえるだろう。
ふかわさんは視聴者層について「破産した方が、割と遭遇しやすい番組なのかもしれませんね」と語って、締めくくった。ツイッターでは
「5時に夢中って出演者も視聴者も世捨て人やアウトローが集結してるのかw」
と、驚きが広がる一方、
「夕方の5時にテレビを見ているくらいだから...」
と、自分でもみているにもかかわらず、辛辣な見方もあった。