自衛官自宅にあった「猛毒リシン」入り白濁焼酎 別居中の妻が「テロ毒物」を入手できた謎

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市販品もあるが、種子8粒で致死量、解毒剤もない

   昭和大学薬学部の沼澤聡教授(毒性学)は、一般人がリシンを作り出せる可能性はあると指摘する。

「リシンの生成方法は、ほかのタンパク質とそんなに大きく違うものではありません。ひまし油の絞りかすには、リシンが高濃度で存在しており、10倍の50%にまで濃縮するのは、それほど難しくない技術です。ですから、一般家庭で、特別な機械がなくても作りだせるかもしれません」

   ただ、テロに使われる恐れがあるため、公的機関のサイト上からは抽出方法が消されてしまっている。また、ネット上では偽情報がはんらんしているため、作るにはある程度の知識が必要だという。

   容疑者の妻も、元自衛官だったと報じられており、沼澤教授は、「もしバイオテロ対策などに関係したことがあれば、抽出方法を知っていてもおかしくないかもしれません」と言う。

   もっとも、トウゴマの種子は、8粒でも40ミリグラムほどの致死量のリシンが含まれており、絞りかすから水に溶かして作っただけで高純度の抽出とは言えないラフなものだった可能性もあるそうだ。

   リシンそのものは、化学兵器の条約で国際的に規制されており、テロに使われるぐらいなので、ネット上でも一般人が買うことはできないはずだと話す。

   もし致死量のリシンを飲んだとすると、数時間して消化器官が強い炎症を起こし、嘔吐や下痢を繰り返して、3、4日後に命を落とすことになるという。解毒剤は存在しておらず、誤って体内に入れたら、水を飲んだりして対症療法で回復を待つしかないとしている。

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