公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、2015年7~9月までの3か月間の運用損益が7兆8899億円の赤字に転落したと、2015年11月30日に発表した。赤字は6四半期ぶりで、四半期の赤字額としては過去最大となった。
8月以降、中国経済の減速懸念や米国の利上げタイミングの不透明感が高まったことから、国内外の株価が急落したことで、保有する株式の評価額が大きく下落した。
14年10月に公表した資産構成の見直しで、株式の投資比率の目標を従来の約2倍の25%に引き上げたことが裏目に出た。また、6月末に比べて円高が進行したことで、外国株や外国債券の円換算での赤字が広がったこともある。
運用実績を示す収益率はマイナス5.59%(4~6月期はプラス1.92%)に悪化した。
GPIFは、「10月以降の市場環境は大きく回復基調にあり、今年度の直近までの収益額はプラスに転じる。長期的な観点で評価することが重要」と、運用に問題がないことを強調した。