「理想の朝食」は苦手なものだらけ 偶然手にした飲み物が「大当たり」だった

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   ダイエットに挑戦中の木村清志さん(仮名、以下キヨシさん)が、壁に阻まれている。「運動しなきゃ」「ちゃんと朝食をとらなきゃ」との思いは募るが、強い意志で実行に移しきれずにもがいているのだ。

   それでも今回、朝食の中身を改善しようとこれまでほとんど食べたことのないものに挑戦。偶然手にした一品が、意外な効果をもたらした。

ランチタイムの30分ウォーキングは「食事の時間がなくなる」

   悩める36歳キヨシさん、身長178センチ、体重83・5キロでスタートしてから2か月あまりで、体重はついに77.7キロまで落ちた。ほぼ6キロ減だ。それでも表情がさえないのは、自ら決めた朝の早起きとウォーキングが実践できていないからだ。

キヨシさん「先週も朝起きられず、しかも歩いていません。全然ダメです」

   自己嫌悪で頭を抱え込む。ただ全く体を動かしていないわけではない。週末恒例の子どもとのサッカーはできなかったが、「休みの日ぐらいは汗をかかないとマズイ」と、早足でウォーキングしたのだ。この自主性を平日にも継続できるかが課題なのだが...。

キヨシさん「仕事が多忙になってきて、疲れがたまっているのかもしれません。帰宅や就寝が遅くなり、早起きする気力が出ないんです」

   「ハァーッ」とため息をつき、弱気モード一辺倒。聞けば、いったん下がった体脂肪率の数値もまた23%台に逆戻りしたという。スランプに陥ってしまったのか。

編集部「朝が無理となると、ランチタイムを有効に使うしかないですね」
キヨシさん「ええ、でも30分ウォーキングしたら昼食をとる時間がなくなってしまうので、悩んでいるんですよ」
ダイエット開始から2か月強で約6キロ減も、表情はイマイチ
ダイエット開始から2か月強で約6キロ減も、表情はイマイチ

1日3回、各15分のウォーキングで血糖値の改善効果

   ウォーキングに代表される有酸素運動は、「体内の脂肪を燃焼するには20分以上続けないと意味がない」と言われてきたが、必ずしも長時間続けなくても、「細切れ」に1日複数回歩くことで効果が期待できるとの説もある。

   米ジョージ・ワシントン大学は2013年6月12日、朝昼晩それぞれの食事をとり終えた後に15分間ウォーキングをしたところ、血糖値が改善したとの研究内容を発表した。しかも1日3回、各15分のウォーキングの方が、1日45分間のウォーキングを1回行うよりも改善効果は上だったという。

   大手スポーツジム「ティップネス」のウェブサイトにも、有酸素運動について「新たな研究の結果、5分~10分ずつの運動を1日に何度か取入れることで、20分以上の連続した運動と同様の効果があることが分かってきました」との説明がある。

編集部「短時間でも歩く機会を増やせば、1日の合計時間は30分超えますよ」

   キヨシさんは日々の通勤で、自宅と最寄り駅を往復するのに20分強歩く。しかも坂道のアップダウンがあるので、適度な負荷がかかる。あとはエスカレーターやエレベーター使用をやめて階段を使ったり、ランチタイムは少し遠くの場所に歩いて食べに行ったりして「稼ぐ」と、目標の30分はクリアできそうだ。

キヨシさん「なるほど。夕方に間食のためコンビニに行く動機づけにもなりますね。よし、会社から片道10分ぐらいで行けるおいしいレストランを同僚に聞いてみますよ。ついでにおごってくれないかな...」

   俄然張り切りだしたキヨシさん。ちょっと目的がずれている気もするが、ウォーキング実践の光明が見えたようだ。

時間を見つけて歩く努力が大切
時間を見つけて歩く努力が大切

肥満予防や血中脂質の増加抑制が期待できる「この飲料」

   もうひとつの課題だった朝食。管理栄養士から、食物繊維を含まない濃縮還元ジュースばかり飲んでいては、かえって血糖値の上昇を招く恐れがあると指摘されていた。

キヨシさん「自分でも心配になって、ある日の朝、プレーンヨーグルトに挑戦したんですよ」
編集部「どうでしたか」
キヨシさん「ひと口でギブアップでした。私には合わないみたいで...」

   管理栄養士に勧められたバナナや「飲むヨーグルト」も、朝は口に入れるのを避けたいと話していた。選択肢が減っていく中、可能性を探した。

キヨシさん「翌朝コンビニの棚を眺めていたら、豆乳が目に入ったんです。何となく買ってみたんですね」
編集部「飲んでみて、いかがでした」
キヨシさん「なんとこれが、相性バッチリ。甘すぎないし、自分の好みにピッタリでした」

   これまでほとんど飲んだことがなく、買ったのは偶然。これがキヨシさんの朝食改善に道を開く可能性が大きくなってきた。

   管理栄養士に取材すると、「豆乳は朝食にお勧め」と大賛成だ。豆乳に含まれるタンパク質は血糖値の急上昇を抑え、また大豆イソフラボンや大豆サポニンには肥満予防や血中脂質の増加抑制が期待できるという。

   キヨシさんが購入したのは、豆乳を飲みやすくするため加糖したりカルシウム成分を含んだりしている「調整豆乳」。また、イチゴ味やコーヒー味のような「豆乳飲料」もある。これに対して、添加物を一切入れていない「成分無調整豆乳」もあり、栄養面ではこれが最も望ましい。しかし管理栄養士は、「それぞれの特徴を知ったうえでストレスなく続けられるものを選んでください」と言う。最初は調整豆乳や豆乳飲料からスタートしても、問題ない。

キヨシさん「今や毎朝豆乳を飲みたいぐらいですよ」

   久々に、調子に乗りまくったキヨシさんのドヤ顔が見られた。

ちょっと誇らしげに「豆乳はじめました」と掲げた
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